「日本景観生態学会 第23回 盛岡大会」1日目

公開シンポジウム 「三陸復興と景観・自然環境」

平成25年6月29日に日本景観生態学会の公開シンポジウム「三陸復興と景観・自然環境」が開催されました。震災後の三陸沿岸域のまちづくりや防潮堤計画と、現在の景観や自然環境の状況に関して、基調講演とパネルディスカッションが行われました。

■プログラム

■結果報告

はじめに、東京情報大学の原先生より開会挨拶、岩手大学の竹原先生より企画の意図の説明があり、その後、各先生方より話題提供が行われました。

岩手大学の南先生からは「岩手三陸の復興と景観の創出」と題して、岩手県における復興計画立案のプロセスと今後の展望について講演いただきました。その中でも、三陸沿岸の復興にあたっては、「三陸文明」(過去から受け継がれてきた三陸沿岸の文化)の継承・創生がキーとなるというお話が印象的でした。

岩手大学の山本先生からは、「三陸復興国立公園と自然災害」と題して、環境省の打ち立てたグリーン復興に向けた三陸復興国立公園の役割と、復興に向けた様々な課題について講演いただきました。

また、京都学園大学の森本先生からは、「賢い適応のデザインと鎮守の森」と題して、「要塞型」防災対策への警鐘と、里海や鎮守の森(社叢)等を活用した「柳に風型」防災、それによる今後の人口減少をにらんだ自然と人間の境界線の引き直しが提案されました。


■シンポジウム会場の様子

■パネルディスカッション
(左から南、山本、森本、竹原、平吹、原先生)

後半は、東北学院大学 平吹先生からの仙台沿岸の震災後の生態系情報の提供と、基調講演の話題を元に、復興と景観・自然環境に関するパネルディスカッションが行われました。ディスカッションの中では、三陸沿岸域の復興に向けて何を目指していくのか、自然に関してはどの程度まで手を入れるか、と言った議論や、水域生態系の衰退を危惧する意見、一方で、検討を重ねた復興に関する提言が実施段階では反映されていないという実情などが報告されました。そのような現状の中で、学会の立場からは、復興計画に反映させるための判断ツールとして地域の人に活用してもらえるよう、生態系サービスの図化を試みているとのことでした。

急速に進む復旧・復興事業の中に景観・自然環境への配慮を反映させることは、今後起こりうる他地域での災害時のモデルとなります。しかし、「その土地に実際に(住む)人がいる」ということを忘れず、机上での検討・討論だけではなく、住民の意思を尊重し、現場に即した復興計画を立案していく必要があるとして、シンポジウムは締めくくられました。


■大会会長挨拶

■懇親会

参加者は約130 名で、次世代を担う高校生の参加も見られ、パネルディスカッション、その後の懇親会でも活発な意見交換が為されました。

報告者:上田夏希 パシフィックコンサルタンツ(株)

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